〈きいてはいよ〉
冬の感染症予防のポイントを学ぼう
「冬の感染症」といえば、主なもので、インフルエンザ、RSウイルス、マイコプラズマ肺炎、嘔吐下痢症などがあり、小さな子どもがいる親は心配がつきません。どれも『注意が必要な感染症』とされ、特に乳幼児がかかると重症化することもあります。
「冬の感染症」で大切なのは『予防』です。今回は、冬の感染症予防のポイントをお伝えします。
インフルエンザ
インフルエンザは、せき、くしゃみなどによって放出されたウイルスで感染します。主な症状は、突然の高熱(39℃~40℃、3日~7日続く)、頭痛や筋肉痛、全身のけん怠感、のどの痛み、せきなどです。潜伏期間が短く感染力が強いことも特徴で、毎年、12月下旬から3月上旬に流行します。乳幼児では、ごくまれにですが脳炎や脳症を併発することがありますので、水分をとった後すぐに吐いてしまって元気がない、意識がはっきりせずうとうとしている、けいれんを起こすなどの症状がみられたら、すぐに病院へ行きましょう。予防には、うがい・手洗いとともに予防接種が有効で、重症化を防ぐことができます。
RSウィルス
RSウイルスは接触やせきなどを介して感染し、発熱、鼻水、せきなどの症状がみられ、通常1~2週間でよくなります。しかし、2歳以下の乳幼児はしばしば細気管支炎や肺炎を発症し、特に6ヵ月以下の乳児では入院を必要とする場合が珍しくありません。免疫不全児、低出生体重児や呼吸器・循環器に基礎疾患をもつ乳幼児は重症化しやすいため、特別に予防接種が認められています。RSウイルスは、2歳までにほぼ全員感染し、うち半数が生後初の冬に感染しています。感染していることに自覚のない人が乳幼児に接触してうつしている場合が多いので、乳幼児にふれる前はよく手を洗い、せきが出る場合はマスクを着用するなどの心掛けが大事です。特に呼吸が苦しそうな場合は、早めに受診しましょう。
マイコプラズマ肺炎
マイコプラズマ肺炎は、せきやくしゃみなどを介した細菌に分類される病原体感染でおこる肺炎で、感染は小児や若年成人(7~8歳がピーク)中心で、1歳以下には比較的少ないとされています。乾いたせきがしつこく続くのが特徴で、せきは早朝や就寝時に増強します。長く続く発熱、胸痛、赤いブツブツした発疹が出ることもあります。マイコプラズマの予後は比較的よく、症状の軽いうちに無理せず「抗生剤」を服用していれば入院する必要もなく、場合によっては自然によくなることもあります。けれども、髄膜炎や脳炎などを起こして重篤になることもまれではないので、特に乳幼児は注意が必要です。
おうと下痢症(感染性胃腸炎)
乳幼児の冬の急性下痢症の主な原因となるのが、2月頃まではノロウイルス、春先に流行るのがロタウイルスによる感染症です。主症状は、嘔気・おう吐・下痢で、ロタウイルスでは発熱を伴うことも多いとされています。患者の便1g中には10から100億個もの感染力が高いウイルスが排出され、このウイルスで汚染されたドアノブや手すり、おもちゃ等をさわった手から口に入り感染します。激しいおう吐や下痢により急激に水分を失いますので、特に乳幼児は脱水症を防ぐため、市販のイオン飲料を30分ごと位に少しずつ飲ませてあげ、飲んでも吐いてしまう場合は、早めに医療機関を受診てください。また、おむつをしている子どもの場合は、頻繁な下痢のためお尻が荒れてしまうので、お湯で流すなどしてキレイにしてあげましょう。そして、そのたびに、親はしっかり石鹸で手洗いをすることが大切です。 なお、平成23年7月より、ロタウイルスワクチンを接種することができるようになりました。詳しくは、かかりつけの小児科医にお問い合わせください。
冬の感染症予防コラム2
冬の感染症予防に大切なのが、「うがい」とならんで「手洗い」です。この「手洗い」の際の大事なポイントは、
●石鹸やハンドソープを使って
●最低15秒以上
●手のひらだけでなく、手の甲、指やつめの間、手首まで
しっかり洗うことです。そして、洗った後は、清潔なタオルなどで水分を十分にふき取ります。特にこの時期、できるだけ家族同士でもタオルの共用は控えましょう。
冬の感染症のほとんどは、手洗いとうがいで予防することができますから、まずは「感染しない」よう気をつけることが大切です。特に、乳幼児がいる家庭では、大人やお兄ちゃん・お姉ちゃんが家にウイルスを持ち込まないように気をつけましょう。また、ひとりで上手にうがいができるようになるまでのお子さんは、できるだけ人が多く集まる場所への外出は控えましょう。
≪余談≫
※感染症は毎日の規則正しい生活と、常に清潔を保つ事(手洗い、うがい)で防げることも多いです。
少しでも体調がおかしいな・・・と感じたら、しっかり栄養を取って十分に休息をとりましょう。発熱したら予約を待ってではなく、すぐにでも受診できる病院をあらかじめ調べておくことも大事ですよ。子どもは痛い、きつい、と言えないことも多いです。病気の進行は待ってはくれません。大げさですが、親の判断が子どもの生死を左右しますので、正しい判断で!!わからないことがあれば、かかりつけ医や救急外来に連絡する方法もありますよ。
大人がしっかり守ってあげたいですね
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